相続手続きのお仕事をさせて頂いたお客様からのご紹介で、遺言書を作成する依頼があった。
依頼者の状態について
体調が悪くて病院で診察を受けたところ、末期ガンと宣告され、手術もできないほど深刻な状態だ。
「今まで健康で大きな病気もしなかった。
まさかこの歳になってガンになるなんて・・・・
子供がいないので、僕が亡くなったら、病気の妻が1人になる。
残された妻が不十なく生活できるようにしてほしい。」
奥様は、私の母と同じ歳なので70歳。
去年転倒し、足が少し不自由で現在リハビリ中である。
財産の管理や事務手続きをすべてご主人が処理していたため、奥様はご主人に頼りきっていた。
ご主人亡きあとは、ご自身で処理しなければならない。
私の友人の両親もそうだったが、元気で長生きすると思っていた方が、ガンなどで先に亡くなるケースは少なくない。
友人のお父様は、病院嫌いで酷くなるまで我慢していた。
病院へ行ったときには、手術ができる体力がなく手遅れだった。
体調が悪いときは、無理せず病院へ行くように心がけて頂きたい。
私自身も、去年の10月から3月まで、さまざまな出来事があった。
去年12月、母が大腿骨頸部骨折で入院中に左乳ガンが見つかり3月に全摘出手術を受けた。
大腿骨頸部骨折の手術だけでも大変だったのに、まだ入院中にガン告知され、頭が真っ白になった。
事務手続きや医師とのやり取り、介護保険の申請など・・・・
あの時は大変だった。
今のところ、他の臓器に移転が見つからず、通院で投薬治療を行っているが、あの入院がなければ、今頃どうなっていただろう。
誰でもガンになる可能性がある。
本題に戻って、上記のような子供がいない夫婦の場合
子供がいなくて相続が開始されると、奥様とご主人の親が共同
相続人になる。
ご主人の親がいないときは、奥様とご主人の兄弟姉妹が共同相
続人になる。
また、兄弟姉妹が亡くなっている場合は、その子供が相続人と
なる。(代襲相続という)
相続人の順位と法定相続割合
相続人の順位(相続割合) 配偶者の相続割合
第1順位 子 供 1/2 配偶者 1/2
第2順位 父 母 1/3 配偶者 2/3
第3順位 兄弟姉妹 1/4 配偶者 3/4
遺言書を残さず亡くなった場合、無用な争いがおこる可能性がある。
例えば、主な相続財産が居住用家屋しかなく、奥様のほかに相続人としてご主人の妹がいる場合
その妹が権利を主張すれば、奥様は遺産の1/4にあたる財産を渡すことになる。
不動産を共有名義にするか、売却してその支払いにあてるか・・・・。
その妹とその分割方法や処分について話し合って決めることになるが、手続きに時間を要する。
子供がいない夫婦の場合、夫から妻へ、妻から夫へと夫婦でお互いに、遺言書を作成することを
強くお勧めする。
2012-10-04作成